作曲するんだもん ダンスリミックス編

† 非常にマイナーなプレステ用作曲ソフト †

｢ビング｣から発売された作曲ツールソフト『作曲するんだもん ダンスリミックス編』です。見た目硬派なのに｢だもん♪｣が可愛い。ダンスリミックス編と｢編｣がついており、いかにもシリーズっぽいですが、調べた限りではこれ以外の姉妹作はない様子。後発作品が発売中止とかですかね～。プレイステーションで作曲のみを行うソフトは『音楽ツクール』シリーズとこれだけかな？ 作曲機能がついているプレステソフトなら、他に『デザエモン＋』や『スタジオP』などがあるようです。海外なら『MTV Music Generator』という作曲ソフトも。

† 初心者に打って付けの作曲ソフト †

このソフトの特徴は何といっても簡単なこと！ 他の作曲ソフトのように1音1音置いていく必要はなく、あらかじめ用意されたフレーズチップという構成済みのフレーズをパネルに嵌めていくだけ。本当に何も知らなくても、とりあえず気の赴くままに置いていけば、それなりの曲ができてしまうので、小学生でも楽しく作曲できます。まぁ、エディタ画面自体は見た感じ小難しく、若者向けのクールなデザイン＆テーマもダンスということで、子供向けかというと全然なんですけどね……。

† 1,500個超えの豊富なフレーズチップが圧巻！ †

正直、あまり期待しないでプレイを開始したんですが、いや……これなかなか良いかも？！ 『音楽ツクール』だと適当に置いたら雑音しかできないけど、このソフトで適当に置くと、思ってた以上に聴ける曲になる！ フレーズが1500以上あるというのも素晴らしく、これだけの数があれば、繰り返し作っても飽きずに作曲できそうです。また、｢FX｣という人の声や物の音などのエフェクトがバリエーション多彩で面白く、プレイヤーの技量やアイディア次第では、たくさん｢いいね｣もらえるような曲もできちゃうかもしれません。

† 操作性や機能面も良好 †

システム面に関しては、視覚的にわかりやすく操作性も良好。高機能とまでは言わないまでも、コピーやペースト、部分消去くらいの汎用的な便利機能は搭載されているので安心です。また、速度変更、ピッチ変更、残響など、曲の細部まで調整できる点も見逃せません。再生専用のプレーヤーについても、曲のロード時間が長い他は特に不満なし。慣れるまでちょっとだけわかりづらいところはあるけど。

† 欠点はフレーズ探し？ †

本作最大の欠点は、思い描いた通りのフレーズを探すのが大変なことでしょうか。フレーズの数が多いのは大歓迎なのですが、欲しいパーツを探すのが一苦労。同じ楽器の音がちりぢりになっていることも多く、曲を創作するのが上手い上級者ほど、理想のフレーズ探しに奔走することになりそうです。また、音符を1音ずつ置くことは一切できず、存在する素材だけで曲にしなければならないので、逆にテクニックを問われるという面はあるかも。

† 初心者にこそ試していただきたい †

作曲してみたいけど『音楽ツクール』や通常の作曲ソフトだとヒドい曲しかできず挫折した……みたいな人には是非ともオススメしたい作品。超絶でたらめな配置でもそれなりに聴けてしまいます。マジで。自分でもこんないい曲が作れるんだと自信をつけるのにピッタリ。ちょっと褒め過ぎなレビューだったかもしれませんが、遊べる作曲ソフトです。自分は何げに気に入ってしまいました。ただし、オススメは中級者までですね。上級者は手出し無用！